現代での高校生活のお話。
原作好きだけど、グロイもの苦手な主人公です(笑)
[2011年 4月 1日]
「………」
「さっきから何睨んでんだお前」
たまたま本屋に行く用事があった友人とやって来た俺。
じーっと新刊コーナーを睨みつけている俺に、呆れた視線が向けられる。
そりゃ傍から見たら滑稽な姿だろうが、こっちとしては切実なのだ。
「…買おうかどうしようか、悩んでる」
「欲しいなら買えばいいだろ」
「………………」
いま俺の目の前にあるのは、大好きな漫画の新刊。
ずっと連載を追いかけているわけだが、何分高校生にはお金がない。
週刊誌を買う余裕などなく、コミック派なわけだけど。
ものすごーく久しぶりに出た新刊、手にとるべきかどうかで悩む。
いやだって、だってさ。
グロいんだよ蟻編!俺ちょっと読む自信ないんだよね!
蟻編が完結してから一気に読もうかとも思うのだが、そうしたらいつになるかわからない。
それに続きが気になっているのは事実だから、俺の我慢がもつかも微妙だ。
でもやっぱりあれは…うー…。できるなら一度に最後までばっと読みたい。
「………今回は、諦める」
「明日には買ってるにコーヒー1缶」
「………」
「楽しみにしてるぞ、コーヒー」
「…買うとは言ってないだろう」
でも買っちゃいそうな気がする、俺!
この友人の言葉は確信に満ちていて、外れたことがない。
…そうかー…明日には買ってるのか俺。
「お前、漫画とか読むタイプに見えないよな」
「…そうか?けっこう好きだけど」
「ひとりで小説ずっと読んでるイメージがある」
「それ言うならお前こそ。女と遊んでばっかりで、勉強に興味なさそうに見える」
「はは」
くそう、笑って流された。
とりあえず漫画コーナーから離れ、本来の目的である専門書のコーナーへと向かう。
受験に必要な本を買いに来たわけだが、友人はマイペースに中国史関連の棚へ。
三国志とかメジャーなものだけでなく、ものすごくコアな歴史まで調べている彼。
ああいうマニアックなところがあるから、俺も彼といて居心地が良いのだろう。
そう納得して、考古学関連の資料へとつい手を伸ばした。
現代での高校生活のお話。
原作好きだけど、グロイもの苦手な主人公です(笑)
[2011年 4月 1日]