「クププー!!!」
「………チビ、前が見えない」

ぼくの、ごしゅじんさまが、かえってきた。
は黒いかみと、こげ茶?の目をしてる。
すっごくやさしくて、あったかい、だいすきなひと。

ぼくのあたまを、なでてくれるゆびが、すごくすき。

ツェズと、むずかしいはなしをしてるのを、にくっついてきく。
こういうとき、はちょっとだけ、こわいかおをする。

「お前はこれからどうする?」
「…少し休んだら、また外に出る。待たせてる奴等がいるんだ」
「そうか」

またすぐいなくなっちゃうんだ。
いそがしいみたいだから、しかたないよね。でも、ちょっとさみしい。
そんなぼくを、がちらりと見た。

「帰るときにはまたチビを任せてもいいか?」
「問題ない。ケスーも随分と気に入っているようだからな」

ケスーはごはんをくれるひと。
でも、あんまりうるさくしてこないから、けっこうすき。

あれ、がむずかしいかおで、ためいき。
どうしたんだろう?またオシゴト?だいじょうぶ?
もうちょっとちかづいてみよう、ってかたにのぼってく。
そうだ、ケスーにおしえてもらったことば、げんきになるかな。


「…ん?」
「おかーり!」
「………うん?」
「おかーり!」

のまえに、とんでごあいさつ。
びっくりしたかおのあとで、すごくすきなえがおが見られた。

「…ただいま」
「クプ!おかーり!」

もっと、もっと、おはなしできるようになりたい。
のおてつだい、できるようになる。

だって、たくさんたくさん。

あったかいもの、もらってるから。

ぼくは、それで、おっきくなれるんだよ。





あ、チビって男の子なんだ。

[2012年 8月 10日]