くー!ようやく解放されたー!!
親父にもOKしてもらえたし、これで大見得切って外を歩けるってもんだぜ!
ゴンたちと空港に向かう汽車に乗り込んで、溜まっていた分を取り戻すように話しまくる。
全然話が尽きなくて、ついつい盛り上がっちまう。
クラピカとレオリオの話も色々と聞いた。うん、名前もちゃんと覚えたぜ。
も一緒にいてくれることが嬉しくて話を振ろうとしたんだけど。
頬杖をついたまま、ぼーっと外を眺めてる横顔を見つけて。
こんなに気の抜けた顔は珍しいな、って声をかける。
「って、?」
「ん…?」
「どっか体調でも悪いのか?」
のっそりと振り返ったは、じっと俺を見てきて。
な、なんだ?と警戒すればそのまま寄りかかってきた。
「キルア、ちょっと頭貸して」
「は?」
俺の頭にの頭が乗ったのがわかる。
そんですりすり頬を寄せてる感じも。ちょ、何してんだよお前…!!
向かいに座ってるレオリオとクラピカが唖然としてんだろ!?
「おやすみ」
「あ、おい、!俺を枕にすんなよ!」
「おやすみ!」
「ゴンも挨拶してんじゃねーっての!」
俺の抗議なんて無視で、そのままマジで寝やがった。
そうなると俺はもう暴れることもできなくて、おとなしくなるしかない。
…だって、あのだぜ?
人前じゃろくに寝ないこいつが、寝たいって言ってんだから。
………つーか、俺の前だけじゃなくてこいつらの前でも寝るようになってんのな。
枕に俺を選ぶだけ、少しだけ特別扱いされてんのかな?と思うけど。
にとって安心できる場所が増えるのは嬉しいけど。
俺以外にも特別ができるのは、ちょっとだけ悔しいかもしれない。
「こいつの寝顔なんざ初めて見たぜ…」
「俺もはっきりとは初めて見るかも。軍艦島のとき一緒だったけど、俺先に寝ちゃったし」
「私もきちんと見たことはないな」
「こうしてるとちっと幼く見えるか。あ、こいついくつだ?」
「キルア知ってる?」
俺の頭の上に乗ってるの寝顔を全員がじろじろ見るもんだから落ち着かない。
おいこら、目が覚めたらどうすんだよ。
「酒飲むから、二十は過ぎてんだろ」
「「レオリオより年上…」」
「………お前ら覚えとけよ」
つーか頭重い。このまんまだと首痛くなるってーの。
ふん、と頭を上に振ると、そのままはシートにぼふりと頭を預けた。
そんで逆に今度は俺がを枕に圧し掛かってやる。
おいおい、とレオリオが声をかけてくるけど何だよ?と腕を組んで睨みつけた。
これは俺の特権なんだから、好きにさせろっつーの。