[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

「ほらゴン、キルア」
「「いただきまーす!!」」

タクミが作ってくれたおいしそうな料理が並んで、俺とキルアはすぐに口をつける。
今日は俺たちにお礼をする日らしくて。欲しいものあるか?ってタクミに聞かれてびっくりした。
それはキルアも同じだったみたい。だって、ね?
俺たちがタクミにお礼をするならわかるけど、どうしてタクミの方が俺たちにお礼をくれるんだろう。

「なー、タクミ」
「ん?」
「なんでお礼とか言い出したわけ」
「二人にはいつも元気をもらってるから」

頬杖をついて俺たちを眺めてた焦げ茶の瞳が細められる。
そして徐々にタクミの表情が柔らかくなっていって、かすかに笑顔を見せてくれた。
初めて会った頃よりもずっと自然に笑顔が見られるようになって嬉しい。

「な、なんだよそれ」
「俺にいつも付き合ってくれてありがとう、ってこと」
「俺たちが付き合ってもらってる感じもするけど」
「そうだよ、お前俺らの引率者じゃん」
「…そんなの必要ないぐらい、キルアもゴンも強いだろ?」

そう言うけど、やっぱり大人って違うんだなって思うよ。
確かに俺もキルアもひとりで生きていくための力はあるつもりだけど。
世の中は知らないことばっかりで。常識とかそういうことなんて俺は本当にダメ。
キルアは物知りだから色々なことを教えてくれるけど、それだってタクミに教えられたことが多いって。

ミトさんが教えてくれた周りの人達との生活の仕方。
それに似たものをタクミは教えてくれる。
難しいことはよくわからないけど…えーと…社会でひとりで生きていく方法?ってやつ。

「俺は、お前たちに助けられてばっかりだよ」

なのにタクミはこんな言葉をくれるから。
その声や眼差しに嘘はないってわかるから、俺もキルアも反論はしなかった。

だって、タクミの助けに俺たちがなれているなら。

すごく嬉しいことじゃない?




キルアとゴンがいなかったら俺死んでる、多分

[2013年 3月14日]