「ほらゴン、キルア」
「「いただきまーす!!」」

が作ってくれたおいしそうな料理が並んで、俺とキルアはすぐに口をつける。
今日は俺たちにお礼をする日らしくて。欲しいものあるか?ってに聞かれてびっくりした。
それはキルアも同じだったみたい。だって、ね?
俺たちがにお礼をするならわかるけど、どうしての方が俺たちにお礼をくれるんだろう。

「なー、
「ん?」
「なんでお礼とか言い出したわけ」
「二人にはいつも元気をもらってるから」

頬杖をついて俺たちを眺めてた焦げ茶の瞳が細められる。
そして徐々にの表情が柔らかくなっていって、かすかに笑顔を見せてくれた。
初めて会った頃よりもずっと自然に笑顔が見られるようになって嬉しい。

「な、なんだよそれ」
「俺にいつも付き合ってくれてありがとう、ってこと」
「俺たちが付き合ってもらってる感じもするけど」
「そうだよ、お前俺らの引率者じゃん」
「…そんなの必要ないぐらい、キルアもゴンも強いだろ?」

そう言うけど、やっぱり大人って違うんだなって思うよ。
確かに俺もキルアもひとりで生きていくための力はあるつもりだけど。
世の中は知らないことばっかりで。常識とかそういうことなんて俺は本当にダメ。
キルアは物知りだから色々なことを教えてくれるけど、それだってに教えられたことが多いって。

ミトさんが教えてくれた周りの人達との生活の仕方。
それに似たものをは教えてくれる。
難しいことはよくわからないけど…えーと…社会でひとりで生きていく方法?ってやつ。

「俺は、お前たちに助けられてばっかりだよ」

なのにはこんな言葉をくれるから。
その声や眼差しに嘘はないってわかるから、俺もキルアも反論はしなかった。

だって、の助けに俺たちがなれているなら。

すごく嬉しいことじゃない?




キルアとゴンがいなかったら俺死んでる、多分

[2013年 3月14日]